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「日常の運転」と「認知機能」の相関関係検証プロジェクト

医療

コネクテッドカーから収集したデータを、人々の健康づくりに活かす

高齢化と運転免許証の返納による移動弱者の増加は、大きな社会課題です。安全機能が充実したクルマを開発する一方で、人が安全にクルマに乗れる「運転寿命」を伸ばし、できるだけ長く、安全な運転をし続けられる社会を作りたい。車両データを活用して、疾患の早期発見や健康づくりに貢献します。

  • 浜松医科大学と共同で運転データを解析

    当プロジェクトでは、「日常の運転」と「認知機能」の相関関係を検証することを目的に、2021年10月より浜松医科大学と共同で実証事業を行っています。浜松市に在住、もしくは通勤している60歳~75歳の方200名を対象に、2種類の認知機能検査を行った後、運転データを取得するデバイスを自家用車に取り付けて、3ヶ月間、普段通り運転していただきます。データ取得終了後、「日常の運転」と「認知機能」の相関関係を明らかにするための解析を行います。

  • 認知症の予兆を発見するために

    日本は急速に高齢化が進んでおり、それに伴い認知症の方も急増しています。認知症に一度なってしまうと、ほとんどの場合元の状態に戻ることはありません。ただし、早期の段階で発見し、予防介入することで、認知症にならずに生活できる可能性が示唆されています。医学の進歩に伴って、認知症を予防する方法は、いくつか明らかになっています。一方で、認知症を早期に簡単に発見する方法は、ほとんどありません。そこで、運転から認知機能の低下の予兆を発見することができれば、認知症でお困りになるご本人やそのご家族が減り、多くの方が自分らしく日常を過ごしていただくことにつながると考えています。

  • 医学的な裏付けを得ながら進行

    スズキ内には医学的な知見を有する人が限られるため、どのように実証のデザインを設計するか、医学的な担保をどうするかなどが非常に難しかったです。浜松市にご相談したところ、浜松医科大学にご協力いただけることになり、上記の知見が得られ、本プロジェクトは医学的な裏付けを得た上で進めることが可能になりました。

  • 多くのご高齢者やメディアが注目

    プレスリリース後、非常に多くのご高齢者やそのご家族、メディアからお問合せをいただきました。昨今の認知症に関する報道もあり、注目度の高さを感じました。本来、このような実証は参加者の募集だけで数年間かかることが多いのですが、浜松医科大学の教授のご尽力で、驚くほどのスピードで参加者登録が進んでいます。参加者様からは、「高齢者の運転が問題になっている中、このような取り組みを行なってくれて有難い」や、「まさに今知りたかったことなので、ぜひ参加してみたいです」などのお言葉をいただいています。

  • 一日も早く、お客様の求めるサービス化へ

    まずは参加者の登録を完了させて、一日も早く「日常運転」と「認知機能」の相関関係を検証したいと思っています。その後は、本プロジェクトで得られた知見を基に、お客様の求めるサービスを一日でも早く提供できればと考えています。