INTERVIEW

売り上げやシェアの先にある
本当のゴールを目指せる場所

MANAMU
ARAI

新井 まなむ

サービス企画

フィールドリサーチャー

文化政策学部 芸術文化学科 卒業

[拠点:浜松本社]

五感への刺激や出かける喜び。自由な移動は私たちに様々な価値をもたらします。しかし、何らかの事情で目的地まであと少しの距離を移動できず、外出そのものを諦めてしまう方々がいます。

家にこもりがちになると、体力や気力の低下を招き、外出のハードルがさらに高くなるという悪循環へ。このように大きな社会課題になりつつある「移動弱者」の解決策を提供するのが私の仕事です。

コネクテッドセンターでは、医療や農業、行政といったあらゆる分野と連携しながら、新たな価値創出に取り組んでいます。それはスズキという会社や自動車メーカーの枠を超えた挑戦。より良いクルマの開発や市場シェアの争いの先にある“新たな領域”を切り拓いていると感じます。

私たちにとっての本当のゴールとは、地域の困りごとを解消し、より良い暮らしを持続するための仕組みを生み出すこと。こうした社会貢献に意義を感じ、世の中を変える仕事をしたい人にとって、コネクテッドセンターは最適な職場です。

PROFILE
  • 2013

    スズキ入社

  • 2016

    セニアカーの企画業務補佐を担当。

  • 2019

    産休・育休を経て復帰、セニアカーの設計開発支援業務に従事。

  • 2020

    コネクテッドセンターへ異動。
    移動弱者の抱える課題解決に注力。

  • 安心安全かつ自由に移動できる地域を実現したい

    私が今、向き合っているのは、いわゆる「移動弱者」と呼ばれる社会課題です。自宅からコンビニ、スーパー、病院、駅やバス停まで。こうした「あと少しの距離」を移動できず、必要なサービスを受けられない方がいます。そんな方々の課題解決策を提供するのが私の仕事です。

    大切にしているのは、自分自身でお客様の“声”を聞くこと。「あと少しの移動に困っている方」といっても、その事情は様々だからです。自力での移動が難しい方もいれば、目的がないことで外出の機会を失っている方もいます。

    たとえば昨今、家にこもりがちな高齢の方が増えています。外出をしないと体力や気力の低下を招き、なおさら出かけなくなってしまうという悪循環から抜け出せなくなります。 また、スズキの本社がある浜松は市域が広く、同じ市内であっても地域特性が多様である点も考慮しなければなりません。

    そのため、実際に困っている方はもちろん、地域課題の解決に携わる行政や自治会などサポート側の方々からもお話を直接聞くことが重要になります。私も分野を問わず、様々な現場に直接足を運ぶようにしています。

    社会課題と向き合っていると、私たちの最終ゴールは、売り上げの拡大や市場シェアの競争の先にあるように思います。本当のゴールはきっと、地域の困りごとを解消し、一人ひとりのより良い暮らしに貢献し続けること。私自身も、地域全体が安心安全かつ自由に移動できる場所になることを目標として、日々の業務に取り組んでいます。

  • マイノリティーが強みになる

    大学では現代美術と美学を専攻しました。美学とは哲学から発展した領域で、「美」の本質を考える学問です。「美とは何か」、「人はなぜ美しいと感じるのか」。そうした問いを探求していました。

    美術は、明確な答えのない学問だと思います。作者の背景や当時の社会情勢などから、作品の「意味」「価値」を考察することはできますが、それはあくまで受け取り手の解釈であり、100点満点の考察というものはありません。だからこそ、作品の価値を自分なりに見出すことにやりがいを感じていました。今取り組んでいる仕事も、世の中にまだない価値を見つけるプロセスの一つ。まったく関連性がないようでいて、本質的には共通したものがあると感じています。

    スズキではこのような学部の出身者は珍しいかもしれませんが、だからこそ、大多数とは異なる視点から物事を見ることができると思います。マイノリティーが強みになるのも、コネクテッドセンターならではの魅力です。

  • 現場の声を聞くこと、まずはやってみること

    「現場不足」。過去の自分の業務を振り返った際に、最も反省していることです。 以前、ハンドル形電動車いす「セニアカー」の企画補佐を担当したことがありました。セニアカーは免許不要なので、自動車の運転免許を返納した人でも乗ることができます。一方で、「最後の乗り物」と言われるネガティブなイメージもあり、普及が進んでいないのも事実です。この課題に対して、当時の私は「乗っていても恥ずかしく思わないように、乗りたいと思えるような見た目にすれば良いのでは」ということばかりを考えていました。

    今になって思えば、お客様の声を日常の生活圏内でもっと広く・深く聞くべきでした。見た目は関係なく、狭い道路や急な坂道への不安があるのかもしれませんし、そもそもセニアカーがどういったもので、どこに売っているのか、どのようなルールで走行すれば良いのかがわからないのかもしれません。

    お客様が抱えている困りごとや不安は何なのか。モノありきで課題解決をしようとするのではなく、様々な方からご意見を伺ってから初めて、本当に意味のある製品やサービスを考え、提供することが必要だったのです。

    とはいえ、本当の困りごとを知るためには、時間をかけてお客様との信頼関係を構築しなければなりません。最近は行政のご協力のもと、地域の方々とのつながりを仲介していただき、実証実験に向けた動きも始まりました。現場活動の知見も少なく、日々手探りではありますが、たとえ小さくともまずは実際にやってみて、いただいたご意見を次に活かすことができたらと思っています。

  • 子育て中の社員にもやさしい職場

    産休・育休を経て、現在は時短勤務制度を利用して働いています。育児にも100点満点はないと頭では思いつつ、忙しい毎日の中では時々自信を失ってしまうことがあるのも本音です。そんな中、コネクテッドセンターは多様性を認める風土があり、子育て中の社員にも理解を示してくれる人ばかりで、とてもありがたく思っています。仕事と育児に奮闘する私にとって、この環境が日々の励みになっています。

  • 新たな価値創造に挑戦したいすべての人へ

    織機の製造に始まり、自動車メーカーへ転換した時のように、今がまさにスズキの変革期。 モビリティサービスの活動は前例がありませんし、結果も数年後にならないとわからないでしょう。ですが、何もないところから新しい価値を作っていくのは、とてもやりがいのある仕事です。コネクテッドセンターは、挑戦したい人にはうってつけの職場。より広い視野で社会貢献を考えている人と、ぜひご一緒できたら嬉しいです。

    ※部署名、内容はインタビュー当時のものです。